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近所を自転車でポタリングするのがすきな親父が 日々独り言を記しています

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クライマーズ・ハイ

登山時に興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態。


桜桃さんより紹介していただいた「クライマーズ・ハイ」
(文春文庫) 横山 秀夫 (著) を一気に読み終えた。
モラルとは? スクープとは? 真実とは? 新聞は命の重さを問えるのか?
横山 秀夫の魂の叫びが聞こえた。   (山崎 豊子氏の沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 が思い出された)
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1985年8月12日
群馬県の地方新聞「北関東新聞社」の遊軍記者:悠木は
その日、悠木は販売部の安西と衝立岩へのアタックを予定していた。
安西との約束の時間が迫り、退社しようとしたその時に飛び込んできた大ニュース

「ジャンボが消えた」

日航機が群馬・長野山中の県境に墜落した 乗客524人
世界最大級の単独航空機事故

40才の今も「独り遊軍」として一記者に甘んじていた悠木に与えられたのは
「日航全権デスク」…悠木にとってこの大事故に挑んだ日々が、
仕事も家庭も行き詰まっていた次に踏み出す一歩を決めることになった

1985年の夏

記者達の興奮と苦闘の一週間が始まる
***********************************

この作品は日航機事故をモチーフにしているが
仕事(組織)・友人・子供・命と、テーマが多岐にわたっている。
たいしたことはやってないのだがどの登場人物もアツい。
社内の対立構造もまた面白い
日航機事故という事故を中心に、色んな人物の情熱、
思索が交錯し、新聞社社員達の、立場・派閥・主義主張・によって
衝突し合う様が、みなそれぞれ信念がありその情熱や葛藤が魅力的だ。

少しだけ嫌味書きます。上司ってのは社内の政治的論理やかつての
「栄光?」「遺産?」にしがみつき凄惨な現場を見た決死の原稿や全権を
預かるはずの悠木の意見をいとも簡単につぶしていく・・・・・
何度もつぶされながらめげず後輩の面倒見もいい佐山も魅力的でした
こーいう人が組織も変えていくのだ
組織といっても個人の集まりだ。組織がどうあろうと
人の生き様を決めるのは個人なんだ。

冒頭に仕事(組織)・友人・子供・命と、テーマが多岐にわたっていると書いたが
悠木は仕事の忙しさに負けコミュニケーションがとれず自分に心を閉ざす息
子のことで深く後悔をし、どうつき合っていいのか分からなくなっています。
上司とはぶつかり合うが自分の子供にはどう接していいか分からないという
気の弱さをもある
いや息子だけではない
記者の立場に立ったり罹災者の立場に立ったり迷いの連続で揺れまくっている
彼は部下の新人記者を事故で亡くした過去があり、
そして、一緒に衝立岩に登ろうと約束した安西が自分を待っている間に倒れ
昏睡状態に陥っている・・・・
  こんなセリフがあります
悠木が上司に
「(東京の大手の新聞社に)勝ったなんて、あんた達の幻想だ!
俺たちは一度だって勝ったことなんて無い!!」
彼は、何より自分自身に向けた言葉だと思うのです
負け続けている自分がいる・・・・

この子供に関しては、日航機事故17年後というタイムスパンで描いています。
17年という歳月と衝立岩の勇壮な自然がこの作品を大きく見せてる気がした。

主人公 悠木の心を語った部分があります

「家族を渇望して生きてきた。父と母と子と。
そこには絶え間のない笑みが存在すると信じていた。
幸せになりたくて家庭を持った。
淳も由香も自分の心の飢えを満たすためにもうけた。
それぞれがまた親となり、苦悩の中を生きていかねばならないことを、
悠木は考えてみたことがなかった。
一人で生きていくべきだったと思う。恋愛も結婚もせず、
子供も作らず、父と母を憎み呪いながら一人で
朽ち果てていけばよかったのだと思う。」

決してかっこいいとはいえないが人間臭さや温かさがあります
そこがカッコイイのかも。」

心に残ってる部分は多々あるがその中で
遺族の心情として
どうしてこんな事故が起きたのか知りたい・・真実をしりたい

これは、身近な者を失った時に知りたいのは、誇張された言葉や同情ではないだろう
「どうしてこんな事が起きたのか・・・なぜ、人が死んだのか?」
という真実だ。
真実を伝えるのにその人の主観はいらないのだ・・・難しいなぁ
たとえ自分が正しいと思っても考えや立場の違いから
全ての人が正しく真実であるかどうかわからない
真実は一つじゃないかも(^。^;)オイラの主観です

今の報道関係者に自分の言葉に覚悟を持ってる方はいるのだろうか・・・

終盤で悠木のもとにある女性が「報道の差を見ると大きい命、
小さい命がある」というようなことを主張する。命の重さ、
事件の大小によるマスコミの扱いの違いを鋭く突いている
メディアが選別し、重い軽いを決めつけ、価値観を押しつけた人間の命・・・
しかしメディア&報道にそんな価値はないと思っている

今のメディアは民衆が見たいものを見せているだけである
本質などなにもない

まだまだ書きたいのですが長くなりそうなのでやめます(^。^;)
最後にいろんな解釈があると思うが
作品の冒頭で悠木が安西に聞きます
「何故、山に登るんだ」
「下りるために登る」と
答えますがこれは意味があると思うのですが・・・
オイラは・・・・うーん・・こんなふうにとりました



「生きていくために下るんだ」
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